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【主張】豚コレラ深刻化 大村愛知県知事は猛省を

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 豚コレラが5府県に拡散した重大性を愛知県がどこまで認識しているのか、はなはだ疑問だ。

 県は12日、大村秀章知事名で産経新聞社に対し豚コレラに関する記事の一部が事実ではないと文書で抗議し、訂正を求めてきた。県が問題だとしているのは、9日付本紙朝刊2面「主張」の2カ所だ。記事は、「飼育豚に異変があると分かっていながらその豚を出荷した」点と、出荷の自粛要請が通報から丸1日たっていたことを問題とした。

 県は「診断した豚は母豚で、国の防疫指針における異常豚ではない。出荷したのは母豚ではなく子豚だった。異常があると分かっていながらその豚を出荷していたことはない」との言い分だ。

 また、「異常豚が認められない場合、豚コレラ検査の1次検査開始時に移動自粛を要請する。異常豚と診断されてから丸1日たってから自粛を求めたのではない」などというものだ。

 県は、国の「豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針」に反していないから問題ないと言いたいのだろうが、事の本質はそこにあるのではない。

 確かに、本紙記事は母豚と子豚の違いに言及していないが、食欲不振や流産など、複数の豚に異変が見られた場合、疑うべきは養豚場全体だ。診断していない子豚だから出荷してもよいのだというなら慎重さを欠く。

 実際、子豚を出荷し多方面に甚大な被害が出た。異変があれば豚コレラの検査を待つまでもなく養豚場に出荷の自粛を求めるべきではないのか。指針は、食欲減退などの症状が出た豚が通常以上の頻度で見られた場合、出荷自粛等の必要な指導を行うとしている。

 農林水産省は「通報を受けた時点で自粛要請すべきだ」とする。国や県による感染源の特定や拡大原因の検証作業が完全に終わっていない段階での訂正要求だ。本気で真相を究明する覚悟があるのかを疑われても仕方あるまい。

 隣接の岐阜県では昨秋から豚コレラが拡大し、愛知県では14日にも新たに発生した。知事が自衛隊に災害派遣を要請する考えを示したのは同日だ。県には感染防止策など他にすべきことがたくさんあるはずだ。組織防衛に走れば、事態収拾に汗を流す関係者をも裏切ることになる。

 大村知事に猛省を求めたい。

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