PR

ニュース コラム

【宮家邦彦のWorld Watch】日系人受け入れたデンバー

Messenger

 コロラドに縁のある日系人をもう2人紹介しよう。1人目はミノル・ヤスイ氏、日系移民に対する強制収容の不当性を争い、当初は有罪となった日系2世の弁護士だ。その後デンバーに移住し活動を続けた結果、86年に有罪判決を覆した。当時ヤスイ氏の活動を支えたのがデンバー地元紙編集者、ビル・ホソカワ氏だった。彼の努力もあり、最終的に88年、連邦政府が日系人に対する強制収容に対し、公式に謝罪している。こう考えれば、デンバーが日系人の名誉回復にいかに大きな役割を果たしたかわかる。だが、話はこれで終わらない。

 翌日の講演の前にデンバー市内のミノル・ヤスイ・プラザに必ず行くと心に決めた。でも誤解しないでほしい。筆者がカー知事、ミネタ長官、ヤスイ弁護士を称賛するのは、彼らが日本のために尽力したからではない。彼らが米国憲法の精神に忠実であるだけでなく、いかなる人種差別とも闘う勇気ある米国市民だと思うからだ。ミネタ氏が指摘したように、今も米国内での反イスラム・反アラブ差別は収まっていない。それどころか白人至上主義や反ユダヤ主義が米国各地で顕在化し始めているのが現状だ。今こそ、コロラド州の価値が見直されるべき時だろう。デンバーはただの観光地ではないのだから。

                   

【プロフィル】宮家邦彦

 みやけ・くにひこ 昭和28(1953)年、神奈川県出身。栄光学園高、東京大学法学部卒。53年外務省入省。中東1課長、在中国大使館公使、中東アフリカ局参事官などを歴任し、平成17年退官。第1次安倍内閣では首相公邸連絡調整官を務めた。現在、立命館大学客員教授、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ