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【主張】5府県で豚コレラ 国は責任持って拡大防げ

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 懸念されていた感染の拡大を防げなかった。昨年秋、26年ぶりに岐阜県内で発生した豚コレラが広域化し、被害が5府県に及んでいる。

 新たに見つかった感染は、いずれも愛知県内の養豚場から出荷した子豚である。検査の結果、6日に陽性反応が出た。

 さらなる感染拡大もあり得よう。県や地元自治体だけでは手に負えない事態である。

 政府は急遽(きゅうきょ)、関係閣僚会議を開いたが、対策には一刻の猶予も許されない。国が前面に立って感染の封じ込めに取り組むべきだ。

 感染した豚肉を食べても人体に影響はないが、養豚農家にとっては死活的な問題である。豚肉の供給に支障が出れば、食卓にも影響が及びかねない。

 農林水産省によると、感染源となったのは愛知県豊田市の養豚場だった。ここで飼育していた子豚が長野、岐阜、滋賀、大阪、愛知の養豚場に出荷され、感染が広がった。昨秋以降に感染した岐阜県内の豚を含めると、5府県で3万頭近くの豚が殺処分された。

 これまでの感染は、豚コレラを媒介する野生イノシシと飼育豚の接触が主な原因だったが、都市部の豊田市で同様の接触があったとは考えにくい。岐阜県で発生した養豚場と取引のある飼料会社の車が豊田市の養豚場に出入りしていたことも判明している。

 養豚農家の多くは野生イノシシの侵入を防ぐ鉄柵を設置するなどしているが限界がある。農水省はこれ以上の感染拡大を防ぐために感染源の究明を急ぐとともに、空港、港湾、税関などを管轄する国土交通省や財務省などと連携を強化し、水際でウイルスの侵入を食い止めなければならない。

 見過ごせないのは、飼育豚に異変があると分かっていながら、その豚を出荷していたことだ。豊田市の養豚農家は、豚に食欲不振がみられたため、県中央家畜保健衛生所に通報した。

 疑問が残るのはその後の対応である。県が遺伝子検査を行い、出荷の自粛を求めたのは丸1日たってからである。だが、養豚農家はその2時間前に出荷しており、手遅れとなった。

 水際での防疫は養豚農家にできないが、感染が疑われる豚の出荷を止めることは可能である。県による自粛要請のタイミングも含めて、被害拡散を防ぐ有効な手立てを早急に示すべきである。

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