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【石平のChina Watch】「拝年外交」の隠された思惑

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 各国首脳はどのような経緯で中国に「拝年」するようになったのか。本来なら、春節というのは中国人自身の祝日であってイギリスともフィジーとも何の関係もない。にもかかわらず各国首脳が中国人の慣習に従って中国だけに「拝年」しにいくことは、中国政府と中国人からすれば、それはあたかも、往時の中華帝国時代の「万国来朝」をほうふつさせるような心地の良い光景なのであろう。

 しかも、各国首脳が一方的に中国に「拝年」してくるのであって、中国の習近平主席は決して、イギリスやオーストリアの人民に向かってクリスマスのお祝いはしない。こうなると一般の中国人からすれば、各国首脳からの「拝年」の象徴的な意味合いは、昔の「夷狄(いてき)」の国々の中華帝国に対する「朝貢」とあまり変わらないのである。

 もちろんそれこそは、「民族の偉大なる復興」を叫ぶ習近平政権が狙うところの政治的効果である。まさにそのために、中国の伝統慣習である「拝年」が、国威発揚の「大国外交」の一環としてうまく利用されているのである。

 このようにして、国際社会からすれば単なる外交儀礼としての祝賀であっても、中国国内ではまったく別の意味において解釈され、変に利用されることがある。世界各国はやはり、中国との外交において格別な用心が必要なのである。

                   

【プロフィル】石平(せき・へい) 1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

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