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【主張】ベネズエラの混迷 強権体制は容認できない

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 南米の産油国ベネズエラで、マドゥロ大統領の強権体制が揺らいでいる。グアイド国会議長が大統領2期目の正統性を否定し、自ら暫定大統領への就任を宣言した。

 マドゥロ氏は昨年5月の大統領選で、野党候補を事実上排除して再選を決めた。2015年の国会議員選で野党が圧勝すると、国会を機能停止に追い込むなど、権力の乱用が目に余る。

 米国のほか、欧州の主要国、中南米諸国の多くが、大統領選のやり直しを求めるグアイド氏への支持を表明している。

 日本も先進7カ国(G7)の一員として、大統領選は「正統性、信頼性を欠いた」と非難した。そうであるなら、グアイド氏への支持を明確にすべきだ。

 中国やロシアはマドゥロ氏を擁護している。自由や人権を軽視し、欧米諸国に受け入れられない。だからこそ、中露を頼む。中露は世界各地で強権体制を支え、影響力を拡大する。典型的な手法の一例といえる。両国には、ベネズエラに関与した利権を維持したいとの思惑もあろう。

 どちらの「大統領」を支持するかは、民主主義を貫くか、強権体制を容認するかの選択である。前者の姿勢を鮮明にすべきだ。

 ベネズエラはハイパーインフレに歯止めがかからず、社会不安が増大し、300万人以上が国外に逃れた。マドゥロ氏に統治能力が欠如しているのは明らかだ。

 「積極的平和主義」が安倍晋三政権の外交の看板である。事態は流血の危険をはらんでいる。関与を躊躇(ちゅうちょ)すべきではあるまい。

 原油の確認埋蔵量が世界一のベネズエラに、中国は多額の投資を行ってきた。反米左翼国家を足がかりとする覇権拡大の一環であり、借金返済に困窮しても、原油で回収したり、拠点施設を得たりする狙いがあるのだろう。

 ベネズエラの混迷が浮かび上がらせたのは、中国の投資に相手国のために何ができるのかという視点が欠如しているということだ。投資は結局、マドゥロ氏ら権力者を利するだけだった。

 ペンス米副大統領は昨年10月の対中政策演説で、ベネズエラ情勢に言及し、中国が「腐敗し無能なマドゥロ政権に命綱を与えた」と批判したが、その通りである。

 正常化を急がねばならない。日本を含む各国が協調し、大統領再選挙への道を見いだすべきだ。

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