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【主張】豚コレラ 防疫態勢の強化が急務だ

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 豚などが感染する家畜伝染病の対策が急務となっている。国内では豚コレラが昨年、26年ぶりに岐阜県で発生し、これまで計約1万2千頭が殺処分された。

 海外では、より危険なアフリカ豚コレラの感染がロシアや中国を中心に拡大している。豚コレラと似た名前だが別のウイルスで致死率は100%近い。

 いずれも感染した豚肉を食べても人体に影響はないが、養豚農家にとって死活問題だ。豚コレラは国と県が連携してまず収束を急ぎ感染ルートなど詳しく解明してもらいたい。岐阜県内の養豚場で1月、県内7件目が発生した。県は陸上自衛隊に災害派遣を要請し感染豚を殺処分した。子豚の売買を通して広がったとみられる。

 売買された子豚のいた豚舎では出荷される3日前に抽出による遺伝子検査を行ったが、陰性反応だった。抽出検査でも高い確率で感染の有無が分かるというが、今回はその間隙(かんげき)をつかれた形だ。

 数千頭にも上る養豚場での全頭検査は物理的に不可能だ。このため、一つの対策として、売買対象の豚を出荷前に隔離し、全頭検査するなど売り手と買い手側の防疫意識を高めることも大切だ。

 これまで豚コレラが発生した飼育施設では洗浄・消毒の不徹底や野鳥の侵入防止などの不備が確認された。農林水産省が定めた飼養衛生管理基準を守るよう飼育農家にさらに徹底させるべきだ。

 感染した豚は、皮膚や粘膜が青黒くなるチアノーゼ現象や目やになどの症状が出る。こうした兆候を見逃さないよう養豚農家への注意喚起も必要だ。

 一方、アフリカ豚コレラは発熱や全身の出血性病変が特徴だ。有効なワクチンや治療法はない。特に隣国の中国で感染が広がっており、日本上陸を水際で阻止する態勢の強化が不可欠だ。

 感染したイノシシや豚同士の接触やダニの媒介などで広がるが、感染豚の生肉を含む餌を食べた野生イノシシから糞(ふん)などを通じて家畜豚に感染する可能性もある。海外旅行者が持ち込む加工肉も加熱不十分な肉が含まれていないかなど注意を要する。

 国内に上陸すれば、平成22(2010)年に発生した牛や豚などの口蹄(こうてい)疫のように、「畜産業界への影響は甚大」(農水省)だ。空港や港湾での検査態勢を改めて見直してもらいたい。

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