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【主張】施政方針演説 「米中対決」正面から語れ

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 安倍晋三首相が、平成最後となる国会の施政方針演説で、国会議員らに対し、「平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を切り拓(ひら)く」責任を共に果たしていこうと呼びかけた。

 しかし、新しい時代に向けて、日本丸の舵(かじ)をどのように取るのか。その戦略が十分に語られたかといえば、物足りない。

 冒頭、首相は御代(みよ)替わりについて、国民こぞって寿(ことほ)ぐことができるよう万全の準備を進めることを誓った。202年ぶりとなる天皇の譲位は日本の最重要事である。首相の発言通り、政府も国会も緊張感を持って対応してほしい。

 首相が語るべきなのに、言及しなかった最大の問題点は、昨年明らかになった米中両国の本格的対立への、安倍政権の認識と対処方針である。

 「米中新冷戦」ともいうべき国際情勢の新局面を、日本は見て見ぬふりはできない。冷戦終結以来30年ぶりの地殻変動だ。

 首相は、外交・安全保障の基軸は日米同盟だと述べた。自由貿易の推進や「自由で開かれたインド太平洋」を築いていくことも語った。極めて妥当である。

 トランプ米政権が指摘するまでもなく、中国は自由で公正な貿易を阻害している。軍事力を誇示して東・南シナ海や宇宙・サイバー空間で覇権を追求している。

 そうであるなら、米国などと協調して、さまざまな問題点を改めるよう中国に迫っていくのが日本のとるべき戦略ではないか。

 だが首相は、昨年10月の訪中で「日中関係は完全に正常な軌道へと戻った」と強調し、政治、経済などあらゆる分野で交流を深め、日中関係を「新たな段階」へと押し上げると語った。

 これでは、対中戦略はよく分からず、地球儀を俯瞰(ふかん)する外交になっていない。6月には大阪で20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)がある。議長国として中国問題をどう扱うのか。習近平国家主席の来日も予定されている。

 勤労統計の不正調査について首相は演説で陳謝した。この問題や消費税率引き上げに関わる事柄が論じられるのは当然だ。ただ、それだけでは十分ではない。

 対中戦略や憲法改正、外国人労働者の受け入れをめぐる問題、対韓関係も喫緊の課題だ。国の根幹に関わる問題について、首相も各党も大いに語るべきだ。

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