PR

ニュース コラム

【思ふことあり】柔よく剛を制す スポーツジャーナリスト・増田明美

Messenger
NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」嘉納治五郎役の役所広司(NHK提供)
NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」嘉納治五郎役の役所広司(NHK提供)

 NHK大河ドラマ「いだてん」が始まった。近代スポーツ幕開けのダイナミックさがある。戦国時代や明治維新と違って、平和な時代だからこそ、五輪初参加へ向けた、命の躍動感が伝わってくる。

 2020年を目前に控えて、日本のスポーツ史を振り返るのは大切なことだと思う。時代背景も知ることができるので、スポーツが果たした社会的役割も見えてくるのがいい。

 そして、「事実を基にしたフィクション」とうたっているものの、やはり事実と違う部分にはツッコミを入れたい面白さもある。

 例えば、羽田海浜の新設運動場をスタート、ゴールにして行われたマラソンの日本代表選考会。ドラマでは、ゴールに1番で現れた主人公の金栗四三さんは帽子の染料が雨で流れて歌舞伎の隈取(くまどり)のような真っ赤な顔だった。でも本当は、帽子は紫色で顔が紫色になったと本人が著書「ランニング」の中で述べている。紫色は当時、金栗さんが通っていた東京高等師範学校(筑波大学の前身)の校旗に使われていた色だったようだ。

 そんなささいなことはさておき、近代スポーツの発展を考察しよう。

                □   □

 日本の伝統的なスポーツであった蹴鞠(けまり)や流鏑馬(やぶさめ)などは今もお祭りの行事として残っている。しかし、そこから近代スポーツに発展したものもある。その代表が柔道だ。創始者の嘉納治五郎さんは多くの流派があった柔術を基に技術や指導法を確立した。

 国際柔道連盟の規約の序文には「柔道は1882年に、嘉納治五郎師範によって創設された。(中略)創設者が極めて近代的かつ進歩的な手法に仕上げた規範が柔道なのである」と書かれている。嘉納さんのおかげで、柔道は世界に広がり、今や約200の国と地域が国際柔道連盟に加盟。世界中に愛好家が多いのだ。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ