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【新聞に喝!】科学の成果主義、あおったのは誰か 京都大学霊長類研究所教授・正高信男

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ノーベル賞授賞式で、スウェーデン国王カール16世グスタフ(右)から医学生理学賞のメダルと賞状を受け取る本庶佑・京都大特別教授=2018年12月、ストックホルムのコンサートホール(共同)
ノーベル賞授賞式で、スウェーデン国王カール16世グスタフ(右)から医学生理学賞のメダルと賞状を受け取る本庶佑・京都大特別教授=2018年12月、ストックホルムのコンサートホール(共同)

 毎年ノーベル賞の季節になると、韓国から受賞者が出ないことがメディアで取り沙汰される。個人的な感想だが、それが難しいのは儒教の風土も影響しているのではないだろうか。アメリカで研究生活を送っていた30代のころも、日本で持った自分の研究室にも韓国の人たちが多くいた。おしなべて勤勉で優秀であり、上司や先輩に対してとても従順であった。

 しかし新たな科学的発見とは、往々にして経験豊富な研究者の常識を裏切る形で出現する。ボスに対し「あなたがまちがっています」と歯向かうことが、重要な契機となることが多いのだ。従順の美徳がアダになることがある。

 一方、ここのところ毎年のように受賞者を出す日本だが、メディアは科学の危機を叫び続けている。12月7日付産経(大阪本社発行版)によると、日本の学術論文の発表数は減少傾向にあるという。ただ私のみるところ、若い世代に限るなら以前よりマメに英語論文を書いていると感じる。せっせと書き、国際学会で英語で発表しては競合的な研究費の取得に励んでいると思う。

 これは政府が、優れた研究にのみ配分する研究費を増額しだしたことと深く関連している。各大学におおむね満遍なく配分していた使途を定めない交付金を削減する代わりに、研究計画を競わせて審査する。典型的には科学研究費助成事業(科研費)である。

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