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【主張】医学部不正入試 文科省は究明に責任持て

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 入試シーズンに不信が増しただけではないか。医学部の不正入試をめぐり文部科学省や各大学の調査結果が公表されたが、解明にはほど遠い内容である。

 とくに批判が集まっているのは東京医科大の対応だ。弁護士らによる第三者委員会の最終報告書が公表されたのは昨年12月29日と遅い。

 報告書では、政治家からの依頼があったことや推薦入試の小論文の問題漏洩(ろうえい)など、新たに重大な疑惑が指摘されている。にもかかわらず報告書を大学ホームページに掲載しただけで記者会見は行われなかった。

 第三者委は、私大への助成事業をめぐる汚職事件に絡み辞任した前理事長と前学長が保管していた資料のほか、関係者の証言などをもとに調べた。

 平成25年度の医学部看護学科の入試では前理事長が国会議員からの依頼として特定の受験生を優遇するよう指示していたと認定した。医学科入試でも政治家からの依頼があったと指摘した。

 文科省通知で禁じられている入試にからむ寄付金との関連も指摘した。前理事長に特定受験生への配慮を求め「寄付は3千万円は用意するつもり」などと記載された書面などが見つかったという。

 取材に応じた同大出身の前衆院議員は、謝礼や依頼の効果は否定したが、各地の卒業生らに頼まれ「10年ほど前から年2、3人を依頼していた」と証言している。

 文科省は東京医科大に追加調査を求めたが、大学側に任せていていいのか。入試の根幹にかかわる、具体的な疑惑の指摘を放置しては、信頼回復など望めない。試験問題の漏洩などあってはならず、ただちに文科省の手で事実関係を明らかにすべきだ。

 文科省は女子や浪人生を不利に扱うなど不適切な入試の緊急調査を行ったが、結果公表は昨年12月中旬と時間がかかり過ぎた。

 大学側に自主的公表を促す、というのは聞こえはいいが、医大側からは不正の認識について「見解の相違」とするなど、社会常識と隔たる弁明が目立ち、悪弊を絶つ究明がなされたとは言い難い。

 不正入試に伴う被害者救済も完全には行われず、追加合格に伴い募集枠が減ることなどで、結局、受験生にツケが回され、割を食う。それでは教育の不信を招くばかりである。

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