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【主張】児童虐待防止 地域の協力があってこそ

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 児童虐待防止のための体制総合強化プラン(新プラン)がまとまった。東京都目黒区で昨年3月に5歳で亡くなった船戸結愛(ゆあ)ちゃんの虐待事件を受けたものだ。

 新プランは、児童福祉司ら児童相談所(児相)職員の増員や全市区町村への「子ども家庭総合支援拠点」の設置を目標に掲げた。

 着実に進めてもらいたい。虐待は特殊な家庭の、特異な出来事ではない。その周辺には虐待に至らぬ、さまざまな子育ての葛藤や悩みもある。親自身が未熟な事例も多々ある。相談支援拠点は、そんな親子に伴走し、関係作りをサポートするものでもある。

 平成28年の児童福祉法改正で市区町村に設置の努力義務が課せられたが、全国約1700市区町村のうち、現在は、人手不足などの理由から、106市区町村の設置にとどまっている。

 こんなケースもある。

 東京都港区では、同区が青山に「子ども家庭総合支援センター」を作ろうとしたところ、一部の住民が「気品とにぎわいのまち」にそぐわないと反対している。

 児相や一時保護所、母子生活支援施設が相談拠点に併設されることを問題にし、「地価が下がる」といった根拠に欠ける驚きの反対理由まで聞こえる。

 狭量というしかない。家庭内暴力で住む場所のない母子や、一時的に親と暮らせない子供を地域で守らず、誰が守るのか。

 相談支援と被虐待児の保護は一体のものだ。手厚い相談支援があり未然の伴走があれば、虐待を減らすことができる。そのための活動は、自治体や地域住民が担うべきである。

 NPO法人や社会福祉法人が活発に参加する地域もある。「子ども食堂」はその一つだろう。重層的な支援が子供の発するSOSをすくい上げる。塾や学校などに悩む、わが子の発するSOSに気づいてくれる人も出るはずだ。

 子供を守るには、寸秒を争って家庭内に介入する立ち入りはもちろん、崖っぷちにいる親子に寄り添い、身近な場所で相談に乗る支援など、さまざまな方策がある。地域住民はその重要な担い手であることを再認識したい。

 「もうおねがい ゆるして」と書かれたノートを残して亡くなった、結愛ちゃんの悲劇を繰り返さぬために。

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