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【主張】ゴーン容疑者出廷 真実追求は捜査と公判で

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 日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者が東京地裁で行われた勾留理由開示手続きに出廷し、「無実だ。不当に勾留されている」などと主張した。

 留意すべきは、これはあくまで裁判ではないということだ。

 裁判とは、検察側、弁護側双方が証拠に基づいて主張を戦わせ、第三者の裁判官が判断を下すものである。真実はどこにあるか。あくまで捜査と公判の行方を見守るべきだろう。

 勾留理由の開示手続きは、裁判所が容疑者や被告の勾留を認めた理由を公開の法廷で説明する手続きで、通常は、裁判所が証拠隠滅や逃亡の可能性を指摘するのみである。裁判官が勾留の是非を判断する場ではない。

 今回も東京地裁はこの2つを勾留が必要な理由に挙げ、「詳細な理由は現に捜査中であることから釈明することはできないと判断した」と述べるにとどめた。検察側の出番はない。

 ゴーン容疑者は意見陳述で「人生の20年を日産の復活にささげてきた」と自負を語り、会社法違反(特別背任)の再逮捕容疑について、その一つ一つを否定した。検察側の反証にはさらされない。

 異例中の異例だったのは、この手続きに対する注目度である。

 勾留理由開示の法廷で傍聴券の抽選が行われることは極めて異例で、わずか14の傍聴席を求めて1122人の希望者が並んだ。フランスとレバノンの駐日大使も傍聴し、ゴーン容疑者の主張は海外通信社が速報した。

 弁護側は手続き後、日本外国特派員協会で記者会見を行い、「勾留する理由がないと考えている」と不当勾留を訴えた。

 ゴーン容疑者の逮捕、長期勾留に対しては、主に海外のメディアから強い批判がある。勾留理由開示手続きは、そうした海外世論に訴える目的もあったのだろう。

 東京地検はこれまで、こうした批判に対し、「国ごとにそれぞれの制度がある。自分の国と違うからと簡単に批判するのはいかがなものか」と反論してきた。

 国内法に抵触する容疑があれば捜査を進めるのは当然である。勾留についても手続きが適正なものであれば、批判にひるんではなるまい。容疑者が外国人であれ、著名な経営者であれ、それは同様である。真実追求に資する捜査と公判を求めたい。

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