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【風を読む】何が起きてもおかしくない 論説副委員長・長谷川秀行

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 経済担当という仕事柄、年初に「今後1年の経済は?」と聞かれることがよくある。もちろん、ぴたりと予言できるわけもなく、大抵は明言を避け、懸念材料を訳知り顔で解説してお茶を濁す。ただでさえ内外経済は激変期にある。何が起こってもおかしくないのが今の世だ。

 10月の消費税率10%への引き上げはどうだろう。過去に2度延期されたが、今度は本当に予定通りの実施となるのか。

 政府は手厚い対策を講じ、企業も準備に余念がない。ここまで来れば延期なしとみるのが普通であり、私もそうだろうと思う。

 それでもやはり、何が起こるかは最後まで分からない。

 新年早々、円高が進み、株式市場の大発会では大幅に値を下げた。市場は昨年来、変調を来したままだ。もともと、景気循環の観点から、そろそろ経済が下降局面に入るという見方は多い。加えて米中貿易摩擦の悪影響が本格化する懸念もある。

 景気が極度に悪化すれば、消費税どころではなくなろう。菅義偉官房長官は最近、増税をやめる場合、その判断時期は来年度予算の成立がメドになると語った。3~4月ごろだということだ。

 思い出すのは、安倍晋三首相が2度目の延期を決めた平成28年である。首相は5月の伊勢志摩サミットで、世界経済がリーマン危機前と似た状況だとの認識を唐突に示した。その上でこれを延期理由にした。

 当時も年初の市場は大荒れだった。今年は3年前と同じく夏に参院選を控えており、4月には統一地方選もある。政治日程を踏まえれば、政権内で延期論が出たとしても不思議はない。

 そうであっても、よほど慎重に景気を見極めなければ、政権への信頼は地に落ちよう。

 3年前に言及した「リーマン級」には各国の共感が得られなかった。実際、その後の経済は堅調で、翌年は先進国や新興国の景気が軒並み回復する異例の展開をみせた。

 今さら「あのとき増税していれば」といっても仕方ないが、2度目の延期は政策として誤りだったという批判もある。改めて銘記しておくべきことだろう。

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