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【日曜に書く】「四島プラスα」こそ本筋だ 論説顧問・斎藤勉

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ロシアのプーチン大統領(右)と握手する安倍首相=2018年11月14日、シンガポール(共同)
ロシアのプーチン大統領(右)と握手する安倍首相=2018年11月14日、シンガポール(共同)

 ◆「無法は法である」

 シベリア抑留で11年間もの強制収容所生活を強いられ、帰国後、ロシア文学者となった内村剛介氏。その死の前年の2008年5月に上梓(じょうし)した事実上の遺言「内村剛介ロングインタビュー」(恵雅堂出版)は、ソ連や共産主義の本質、ラーゲリ(収容所)、ロシア人などについて、珠玉の考察に満ちている。

 「ラーゲリが小さなゾーンなら、ソ連邦(という国家)は大きなゾーン」「(ラーゲリという)暗闇の中にソ連は『麗しき革命』の恥部を全部押し込んできた…それがいったん戦争となれば…その恥部が全面的に国外に放出される。無頼漢、恥知らずの群れが公然と街頭に出てくる。略奪、強姦(ごうかん)など手当たり次第だ…」「レーニンは断言している。曰(いわ)く、正義とはわれわれにとって有利なことだ。法は、いや無法は法である-」

 その「恥知らず」ぶりと「無法は法」の暴虐ぶりを日本に対して存分に発揮してみせたのが、北方領土強奪、そしてシベリア抑留という名の壮大な拉致事件である。独裁者スターリンの直接秘密指令を受けたソ連軍は終戦直前、日ソ中立条約を一方的に破り、満州、朝鮮半島、樺太(サハリン)、千島列島に侵攻した。60万人もの日本人を「ダモイ(帰国だ)」と騙(だま)し、最果てのシベリアなどに強制連行して奴隷労働を強いたあげく、6万人を死に追いやった。その正確な人数さえ今なお、不確定という非道ぶりだ。

 スターリンは同時に、日本がポツダム宣言を受諾して武装解除した後、火事場泥棒的に一度も他国の領土になったことのない択捉、国後、色丹、歯舞の北方四島を不法占領した。四島の住民はその後、すべて本土などへと追い出された。

 ◆スターリンの国家犯罪

 これが歴史の真実であり、わが国にとって戦後最初の国家主権・国益侵犯事件である。あれから今年で74年になる。

 北方領土問題は領土「紛争」ではない。シベリア抑留と同様、スターリンによる国家犯罪である。そうである以上、「四島返還」という原状の復活を真っ向から要求するのが歴史的正義を貫く筋というものだ。そこには、2島、3島、等分論などバナナの叩(たた)き売り的な発想は出て来ようがない。スターリニズムの凝縮国家というべき北朝鮮の国家犯罪である日本人拉致事件で、被害者全員の奪回を迫るのと全く同じなのだ。

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