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【宮家邦彦のWorld Watch】2019年に起きないこと

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トランプ米大統領。新しい年も「この人」に振り回される?=昨年12月、フィラデルフィア(ロイター)
トランプ米大統領。新しい年も「この人」に振り回される?=昨年12月、フィラデルフィア(ロイター)

 謹賀新年、本年もよろしくお願い申し上げる。昨年は散々な年だった。今年こそは何か良いことが起きると予想したいところだが、世の中そうは甘くない。先日筆者は某経済週刊誌から「地政学で2019年の中東情勢を予測せよ」と依頼され、苦し紛れに「何が起きないか」予測を書いたら、これが意外に好評だった。されば今回は、年のはじめの例(ためし)とて、地政学に基づき今年世界で「何が起きないか」を考えてみたい。

 まずは地政学的に世界を俯瞰(ふかん)する。現状は(1)ユーラシア大陸の東西に位置する2つのランドパワーが再び帝国として「力による現状変更」を志向し始め(2)同大陸周辺部の小国群が両帝国の勢力下に組み込まれつつあるなか(3)かかる動きに懸念を深めるシーパワーが結束して牽制(けんせい)を始めたと見る。これに対し(4)ユーラシア南部の「半独立」の亜大陸国家は近年、北方で国境を接するランドパワーからの脅威をより強く意識し始めたが(5)欧州での戦域が陸上であるのに対し、アジアでの戦域は海上が中心となることから(6)西太平洋、インド洋とアラビア海・ペルシャ湾岸海域の一体性が一層重要になると考える。以上が今の筆者の見立てだ。これを前提に世界各地で「何が起きないか」を勝手に予測してみよう。

 1、北朝鮮は非核化しない。東アジアは昨年元旦から南北朝鮮の田舎芝居に振り回され、あろうことか米大統領までもが参入した。状況は北朝鮮ペースで第2回米朝首脳会談があっても北朝鮮の「非核化」は進展しないだろう。

 2、中国は米国に屈しない。中国が昨年来米国に狙い撃ちされている今、米国に大幅譲歩できる中国指導者はいない。米中大国同士の覇権争いは今後何十ラウンドも続く勝者もダウンもない、退屈なボクシングマッチとなる。

 3、東南アジアは統一しない。東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の国情の違いは著しい。中国に同地域全域を支配する力はないが、ラオスとカンボジアがあれば域内コンセンサス成立は阻止できる。当面同地域が一致結束することはないだろう。

 4、印は米同盟国にならない。インドは中国の一帯一路を印封じ込め策と見る一方米印で中国を逆封鎖する意図はなさそうだ。インドの懸念はインド洋での中国の活動であり対米協力は限定的だろう。

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