PR

ニュース コラム

【主張】中国漁船の蛮行 違法操業に厳正な処罰を

Messenger

 違法行為には厳正な処罰を与えなくてはならない。蛮行を放置すれば、わがもの顔の新たな犯行を呼ぶだけだ。

 鹿児島県沖の日本の排他的経済水域(EEZ)で11月、水産庁の取締船が違法な底引き網漁をしていた疑いがある中国漁船を発見し、停船させて立ち入り検査に着手したが、漁船は水産庁の職員12人を乗せたまま逃走した。

 漁船は海上保安庁巡視船の停船命令も無視して航行を続け、逃走は約12時間に及んだ。

 水産庁は外国人の違法操業などを取り締まるEEZ漁業法違反の疑いで捜査している。水産庁職員を人質に海保の停船命令を無視した行為には、公務執行妨害の疑いもある。

 菅義偉官房長官は「悪質な事案であり、中国に対して外交ルートを通じて申し入れを行った」と述べた。だが、中国側に漁船員らを処罰するよう求めても、成果は得られまい。

 記憶に新しいのは、平成22年に尖閣諸島沖で起きた、中国漁船による海保巡視船への体当たり事件である。逮捕された船長を当時の民主党政権の意を受けた那覇地検は「今後の日中関係を考慮した」として処分保留のまま釈放し、船長は英雄として凱旋(がいせん)帰国した。

 政治判断が司法に優先した痛恨事である。その後、検察審査会が「市民の正義感情を反映させる」として船長を公務執行妨害などの罪で強制起訴したが、中国側は起訴状の受け取りを拒否した。

 こうした前例が中国漁船に、日本の領海やEEZで何をやっても大丈夫との印象を与えている。

 今回の事例では、暗闇の海上における取り締まりの継続には危険が伴い、水産庁職員の安全を優先して全員の奪還と引き換えに漁船を逃した格好だ。これも今後への悪例となり得る。

 本来は中国漁船員らの身柄を確保し、国内法に照らすべき事案だった。だが水産庁の取締船は武装を認められておらず、海保巡視船との連携も広い海上では限界がある。海保はただでさえ尖閣諸島の周辺警備と日本海などの北朝鮮漁船の取り締まりという二正面作戦を強いられており、巡視船も人員も圧倒的に不足している。

 沿海も満足に守れぬようでは、海洋国家として成り立たない。無法を許さぬ国としての態勢を整えることこそ急務である。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ