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【主張】外国人の就労方針 不明瞭さ解消には程遠い

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 先の臨時国会で成立した外国人労働者受け入れ拡大のための改正出入国管理法(入管法)について、政府は新たな在留資格制度に関する基本方針などを閣議決定した。

 「総合的対応策」として行政サービスの多言語対応の充実など外国人との共生策をはじめ、126施策を盛り込んだ。

 事実上の単純労働者となる「特定技能1号」については14業種とし、受け入れ規模を5年間で最大34万5150人とすることも明示した。

 だが、その詳細や実効性は不明確な部分が多く、急ごしらえの印象である。

 外国人労働者が大都市圏などに過度に集中しないよう必要な措置を講じるとしているが、具体性を欠く。日本人の東京流入でさえ歯止めがかかっていない。より良い条件の仕事を求め移動することをどう制限するのだろうか。

 制度運用の多くを地方自治体の判断に委ねていることも問題だ。財政支援や実行にあたっての具体的な手順、期限にはっきりしない項目が目立つ。業務には語学力も求められるが、そうしたスタッフの確保は4月からの新制度発足に間に合うのか。自治体側に不安が広がっている。

 根源的な疑問にも答えていない。受け入れ規模と業種の根拠となった人手不足の状況を、どう計算したのか依然分からない点だ。将来的には景気や雇用情勢に応じて受け入れ数は増減できるが、これで今後の状況変化を合理的に判断できるとは到底思えない。

 恣意(しい)的な運用が入り込むことがないよう、受け入れ数の上限と期限は法律で定めるべきであった。「対応策」でもあいまいにされたことは極めて残念である。

 目先の利益を追って安い労働力の受け入れを続ければ、社会が変質するだけでなく、産業構造の変革を遅らせる。生産性向上にブレーキがかかり、やがては日本経済を衰退させることにもなる。

 人口が減れば、市場ニーズや消費規模は変化する。まず政府が取り組むべきは、どの仕事を、どれほどの期間と規模で外国人に委ねるのか定めることだ。

 このまま見切り発車したなら、現場担当者はもとより外国人労働者にも混乱が広がろう。不断の見直しは当然ながら、法改正を含めた外国人受け入れ政策の根本からの見直しを求めたい。

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