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【主張】米国防長官辞任 動揺せず結束を確認せよ

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 マティス米国防長官が2月末で辞任することになった。

 トランプ大統領に対して、シリアやアフガニスタンからの駐留米軍撤収に反対を訴え、辞表を提出した。

 マティス氏は、トランプ政権の外交・安全保障政策の「屋台骨」として、政治家、軍人だけでなく、日本や欧州の同盟国から厚い信頼を獲得してきた。

 自由や法の支配など価値を共有する米国と同盟諸国は今、現行の国際秩序を脅かす中国やロシアとの「第2次冷戦」に突入した。

 そうした中、「米国第一主義」に傾斜しがちなトランプ氏の歯止め役でもあったマティス氏が去ることで、米国の内向き志向が強まるのではないかと、欧州などから懸念する声も上がっている。

 トランプ氏には、軍事・外交のプロから適材を後任指名し、内外の不安の払拭に努めてほしい。

 独断専行型で予測困難なトランプ氏に対し、マティス氏は「戦う修道士」と称された海兵隊の指揮官時代から、熟考と議論を尽くす冷静な判断力が定評だった。

 直言もいとわぬマティス氏と大統領の間柄には、以前から見解の相違が指摘された。そのひとつが「同盟国観」である。

 トランプ氏は、かねて日本や韓国、北大西洋条約機構(NATO)加盟の同盟国がさらなる負担を負うべきだと主張し、貿易赤字削減には同盟国にも容赦せず追加関税や輸出規制を迫った。

 これに対しマティス氏は、同盟国への配慮を重んじ、公表された辞表の中でも、「強固な同盟関係を維持し、同盟諸国を尊重しない限り、米国自身の国益を守ることはできない」と訴えている。

 とりわけ北東アジアの安全には日米同盟の役割を重視した。北朝鮮の非核化に懐疑的で米韓軍事演習中止に反対したとされる。中国の海洋覇権拡大に対抗して米海軍の艦艇増強も一貫して唱えた。

 マティス氏が辞表の中で、「権威主義体制」を広げる中露の動きに、「同盟諸国と団結」して国際秩序を守る使命を訴えたのは注目に値する。美辞麗句を排した異例の書簡は、トランプ氏への最後の忠告と受け取れよう。

 日本政府がマティス氏の退場を惜しむ一方、日米同盟への影響を否定したのは当然だ。いたずらに動揺しては中露を利するだけである。結束を確認するときだ。

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