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【主張】ゴーン被告再逮捕 批判恐れず全容の解明を

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 東京地検特捜部が勝負に打って出たということだろう。法律違反の疑いがあれば、捜査に全力を尽くすのは当然である。海外メディアの批判などにひるむ必要はない。

 特捜部は、会社法の特別背任の疑いで、日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告を再逮捕した。平成20年のリーマン・ショックで生じた私的な投資による損失約18億円を日産に付け替えたなどとされる容疑だ。

 金融商品取引法違反の疑いで2度逮捕され、勾留されていたゴーン容疑者については東京地裁が勾留延長を認めず、特捜部の準抗告も棄却し、近く保釈される見通しだった。背景には、海外メディアなどによる長期勾留への批判があるとされた。

 捜査批判には、金融商品取引法違反は形式犯にすぎず、長期の勾留は異様とするものもあった。

 3度目の逮捕容疑となる特別背任は、組織のトップや幹部が自己の利益や組織に損害を加える目的で任務に背いたとする悪質性の高い犯罪で、異論をはさみようのない実質犯である。

 捜査には当初から、特別背任での立件を最終目的とする見立てがあった。裁判所が勾留延長を認めず、保釈の可能性が生じ、これを阻止するために同容疑での再逮捕を前倒ししたように映る。

 ゴーン容疑者は現在も、企業連合を組む仏ルノーの最高経営責任者(CEO)であり、日産の取締役である。この段階で保釈され、日産や関係者に強大な影響力を行使する事態となれば、今後の捜査は難航を極めたろう。

 特捜部には今後も、法と証拠に基づく適正な捜査で全容の解明に努めてほしい。それは、海外メディアの批判にも耐えうるものである必要がある。

 ゴーン容疑者には、ほかにも数々の疑惑がある。海外での高級住宅の購入や、実姉へのアドバイザー契約などだ。これらの疑いについては海外での捜査が難しく、立件のハードルは高いとされる。

 だが日産は、社内調査で疑惑の詳細を承知しているはずである。立件のハードルと、企業統治、企業倫理におけるそれとは、おのずと高さが違う。

 日産が真に再生を目指すなら、自ら調査結果の全容を公表する責務があるのではないか。混乱を長引かせないための、それが最善手でもある。

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