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【主張】COPとパリ協定 リーダーの関心が希薄だ

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 地球温暖化対策の新たな国際取り組みである「パリ協定」の2020年からの運用開始に向けた準備が整った。

 ポーランドで開かれた国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)で、各国の温室効果ガスの排出削減についての情報公開をはじめとする実施ルールの大枠が採択されたことによる前進だ。

 先進国と途上国が共通ルールの下で、排出削減に取り組むことになった意義が最も大きい。

 前身の京都議定書では先進国のみが削減義務を負う仕組みだったので、効果に限界があった。

 パリ協定では、全ての参加国が自主的な削減目標を掲げ、その達成に努力する仕組みだ。

 この新方式の課題は、削減達成度の確認方法だった。客観的に検証可能なデータが各国から提出されないと意味がない。

 会期の延長を経てこの課題についても共通ルールが適用されることになったことを評価したい。

 しかし、気がかりな点や問題点も少なくない。COP24は重要な節目であったにもかかわらず、主要国の首脳の参加がなかったのは、どうしたことか。

 2大排出国の中国と米国だけでなく、安倍晋三首相もCOPを牽引(けんいん)してきた独仏首脳も出席しなかった。フランスのマクロン大統領は、排出量削減などにつながる燃料税引き上げに抗議する国内デモへの対応による参加見送りだ。

 主要国リーダーの関心の希薄化が起きているなら、パリ協定の実効性も心もとない。

 パリ協定は産業革命前から今世紀末までの気温上昇を2度未満、できれば1・5度未満に抑えることを目指している。だが、各国が掲げている現在の自主目標では、上昇幅が約3度に達すると予測されている。

 「2度目標」の実現には二酸化炭素の排出量が多い発電部門での削減が重要だ。議長国のポーランドでさえ発電量の約8割を石炭火力でまかなっている。世界規模では日本の高効率石炭火力発電技術の寄与する余地がある。

 日本は50年までに温室効果ガスの80%削減という長期目標を掲げているが、太陽光や風力発電の拡大だけでは届かない。原発の安全利用に向けて、国民の理解を得る政府の真摯(しんし)な努力が不可欠だ。

 公約倒れは、日本の国際的信用の地盤沈下を招く。

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