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【主張】中国の邦人に実刑 人権侵害に強く抗議する

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 またも司法に名を借りた横暴が日本人に降りかかった。中国の裁判所が長期拘束中の日本人2人に懲役12年などの実刑判決を相次ぎ下した問題である。

 「スパイ罪」を適用した日本人への実刑判決は4人となった。

 身柄の拘束から判決まで、根拠となる事実を公にしないまま人身の自由を奪ったことは、重大な人権侵害である。判決は不当だ。

 スパイ活動に関与したとする日本人の拘束問題で安倍晋三首相は、10月の日中首脳会談で前向きな対応を求めた。だが習近平国家主席は聞く耳を持たなかった。

 三権分立を否定する中国で、中国共産党の支配から独立した司法判断は存在しない。党総書記でもある習氏に首相の要請を踏みにじられた現実を銘記したい。

 折しも、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長が、米国の要請でカナダ当局に逮捕された。

 孟容疑者逮捕を受け、中国外務省の報道官は「理由を示さないままの拘束は人権侵害だ」と述べ、カナダ当局を非難した。

 一連の日本人拘束、さらに中国国内での人権弾圧をみれば、どの口で人権を口実に他国を非難するかとあきれるばかりだ。

 中国で活動するカナダの元外交官が拘束された。孟容疑者逮捕で「重大な結果を招く」と恫喝(どうかつ)していたことをみれば、中国の報復とみて間違いないだろう。

 文化大革命や反右派闘争を思い出すまでもない。政治の風向き次第で人身の自由を奪うことは、中国で繰り返される現実である。中国とは人権という普遍的な価値を共有できないのだ。

 米中関係が冷え込む中、中国は経済分野で対日接近を図る。日本の政財界でも日中関係の好転が語られる。だが、日本人の不当な長期拘束や投獄に目をつむる関係改善などあり得ない。

 にもかかわらず、菅義偉官房長官は、「邦人保護の観点からできる限りしっかり支援していきたい」と述べるにとどまった。

 政府が邦人を保護するのは当たり前だ。言及に値しない。外国で拘束中の日本人への「支援」では一般の刑事犯と差はあるまい。

 中国の人権侵害に対し、政府は毅然と抗議を続けてほしい。まずは拘束中の日本人の早期釈放を強く要求すべきだ。

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