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【主張】回答拒む河野外相 日本の立場を捨てたのか

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 河野太郎外相が11日の記者会見で、日本が北方領土をロシア領と認めることが平和条約交渉入りの条件としたラブロフ露外相の発言について問われ、関連する4回の質問すべてに「次の質問どうぞ」とだけ述べた。

 かたくなに回答を拒んだのは情けない。

 北方領土返還を求める日本の立場は法と正義に基づく。その基本をはっきり主張できないような外相には、安心して領土交渉を任せられない。河野氏は日本の立場を堂々と語るべきだ。

 安倍晋三首相とプーチン露大統領は、日露交渉を加速させるため、両国外相を長とする協議の枠組みを新設した。

 河野氏が、ロシアを刺激せずに交渉を進めたい思惑から日本の立場を語らないのだとすれば、大きな間違いである。

 ラブロフ氏は7日、「『北方領土は第二次世界大戦の結果としてロシア領になった』と日本が認めない限り、平和条約締結交渉に向けたいかなる協議も不可能だ」と語った。

 だが、択捉(えとろふ)島、国後(くなしり)島、色丹(しこたん)島、歯舞(はぼまい)群島の北方四島は、日ソ中立条約を一方的に破って侵攻してきたソ連軍が不法に占拠した。日本人はふるさとである四島から追い払われた。ソ連とロシアは70年以上にわたって四島に不法に居座ってきた。四島は日本固有の領土である。

 河野氏が、この基本的な事実の指摘さえはばかるようでは、ロシア側に弱気な態度を見透かされ、足元を見られる。これでは、いくら交渉を重ねても返還の道筋をつけることはできまい。

 トルトネフ露副首相も「プーチン大統領と安倍首相は、島の引き渡しについて一度も議論していない。協議しているのは、共同経済活動だけだ」と語った。

 ロシアは遠慮なく強硬姿勢をとり日本を牽制(けんせい)している。島を返したくない本音が出ている。

 河野氏は韓国の反日行動に毅然(きぜん)とした対応をとるなど評価されてきた。なぜロシアの言いたい放題は見過ごし、日本の立場を語らないのか。これでは交渉力を弱めるばかりである。

 菅義偉官房長官は会見で「各閣僚の責任」による「個別の対応」との理由で、河野氏に対応の改善を促す考えはないとした。首相官邸が河野氏の姿勢を是としていると見られても仕方あるまい。

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