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【主張】臨時国会閉幕 「言論の府」に恥じないか

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 国会議員が建設的な議論や質問を展開し、法案や政策について政府が丁寧に説明責任を果たす。それが尽くされれば採決に付して結論を出す。

 「言論の府」として当たり前の役割だが、10日に閉幕した臨時国会がそれを果たせたとは到底いえない。極めて残念なことである。

 安倍晋三首相は記者会見で、外国人労働者の受け入れ拡大を図る改正出入国管理法の成立を、臨時国会の実績として挙げた。

 首相は制度の運用に万全を期すとしたが、課題は山積している。国のかたちを大きく変える政策転換を、議論が生煮えのまま強行した。その多くの責任は、安倍内閣と与党が負うべきものだ。

 野党も政府・与党に負けず劣らず問題があった。その最たる例が、衆参各院の憲法審査会の事実上の機能停止である。

 自民党は、同党独自の憲法改正案の説明を目指していた。だが、立憲民主党や国民民主党など主要野党は応じず、自民党から「職場放棄」と図星を指されるとさらに反発し、改憲案を俎上(そじょう)に載せることを妨げた。

 憲法審査会は、通常国会からの引き継ぎ案件だった国民投票法改正案の審議も行わず、来年の通常国会へ先送りしてしまった。

 国民投票は憲法の規定に基づく制度である。国民が憲法上の重要な権利を行使しにくい状態を与野党が放置して平然としている。それで国会議員を名乗っているのだから恐れ入る。

 国会は、法案や予算案のみならず、日本や国民にとって重要な問題を討議する場でもある。

 臨時国会は10月24日召集だったが、それより前の同月4日に、ペンス米副大統領の対中政策に関する重要演説があった。米中関係は「新冷戦」に入ったとの見方が広がった。事実であれば、東西冷戦終結以来、およそ30年ぶりの国際環境の地殻変動である。

 だが、臨時国会で「米中新冷戦」と日本の対中政策、防衛力整備、北朝鮮の核・ミサイル、拉致問題について突っ込んだ議論はほとんどなかった。このような感度の鈍さでは、国の舵(かじ)取りはおぼつかない。

 党首討論は一度も開かれなかった。平成26年に与野党は原則月1回の開催で合意したのではなかったか。もっとまじめに務めを果たしてもらいたい。

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