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【主張】ゴーン容疑者 再逮捕の意味丁寧に語れ

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 そこに容疑がある限りは国内法にのっとり、粛々と捜査を進めるべきは当然である。ただし誤解や批判を排すべく、捜査には丁寧(ていねい)な説明と一定の透明性が求められる。

 東京地検特捜部は金融商品取引法違反の疑いで日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者と側近の前代表取締役、グレゴリー・ケリー容疑者を再逮捕した。容疑は、直近3年分の有価証券報告書に役員報酬を少なく記載したとされるものだ。

 ゴーン容疑者は来日した11月19日に空港で身柄を確保された。起訴、再逮捕された10日は勾留期限にあたっていた。

 11日からの勾留により最長で年末の30日まで身柄を拘束されることになり、否認のままなら起訴後勾留が続く可能性もある。

 国際的な大物経済人であるゴーン容疑者の逮捕や長期の勾留については、主に海外のメディアから批判が相次いだ。

 米紙ウォールストリート・ジャーナルは「ゴーン氏は不可解な宗教裁判に耐えている」と論評し、仏紙ルモンドは「弁護士の立ち会いなしでの取り調べが毎日続く」と伝えた。

 国内法における逮捕や勾留の要件は、逃亡や罪証隠滅の恐れがある場合であり、その可否は裁判所が判断する。海外に在住し、企業内に絶大な権力を持つ容疑者らには、国外逃亡や証拠隠滅の可能性が否定できず、十分にその必要性があるといえた。

 弁護人は取り調べに立ち会えないが、その全過程は録音・録画(可視化)され検証対象となる。勾留期限については、必ずしも日本が長いとはいえない。

 東京地検は海外からの批判に対し、「国ごとにそれぞれの制度がある。自分の国と違うからと簡単に批判するのはいかがなものか」と反論してきた。その通りである。容疑者がどれだけ著名な経営者であっても法の下には平等であり、特別扱いはあり得ない。

 ただ再逮捕を受けた会見で、東京地検は、長期勾留についての質問などに「適正な手続きに基づいている」と繰り返した。これだけ国際的に耳目を集める中で木で鼻をくくったような説明が続けば、無用な反発を招くだけである。

 検察の使命は、真実の追求である。批判への萎縮が許されないことと同等に、決して傲慢であってはならない。

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