PR

ニュース コラム

【主張】米中首脳会談 不公正許さぬ姿勢を貫け

Messenger

 トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が会談し、貿易摩擦の解決に向けた対話の継続で一致した。米国は来年1月の予定だった対中追加関税の拡大を当面見送る。

 世界1、2位の経済大国による貿易戦争は、米中両国のみならず、日本を含む世界経済全体を悪化させる重大なリスクとして、懸念が高まっていた。

 国際社会を一段の混乱に陥れかねない最悪の事態が回避されたことは前向きに受け止めてよい。だが同時に、「新冷戦」と評される対立の根本には何ら変化がないことも冷静にみるべきだ。

 米国に求めたいのは、貿易赤字の解消という目先の成果にとらわれず、不公正な経済運営に基づく中国の覇権主義的な振る舞いを封じる姿勢を貫くことである。

 両国は知的財産権侵害などについて協議を始める。90日以内に解決できなければ米国は関税を上げる。これまで米国は、2千億ドル分の中国製品への10%の制裁関税を1月に25%とする予定だった。

 中国は、外資への技術移転強要やサイバー攻撃、自国企業への不当な補助金などを改善していない。ここが曖昧では、本質的な対立の構図はなくなるまい。

 国家資本主義による強国路線は覇権追求とも結びつく。中国は南シナ海の軍事拠点化を改めず、ウイグル人弾圧を含む人権侵害も相変わらずだ。これらに切り込めるかどうかである。

 中国は米国の農産品などの大量購入で貿易不均衡を是正し、対立解消を図りたいのだろう。報復関税の応酬は米企業の経営環境も悪化させている。だからといって、輸入拡大だけで米国からの圧力をしのげると考えるのは誤りだ。

 残念なのは、トランプ政権が多国間協調に背を向けたままなことだ。20カ国・地域(G20)首脳会議の首脳宣言は米国の反対で反保護主義の文言が入らなかった。

 米国は対中共闘を図るべき日欧などにも国際ルールを軽視し貿易紛争を仕掛ける。こうした独善が反発を招き、米国が孤立する現実をもっと厳しく認識すべきだ。

 G20は今回、世界貿易機関(WTO)改革の推進で一致した。質の高いインフラが必要という認識も共有する。いずれも中国の不公正な通商慣行が念頭にあり、米国は各国と連携して対処すべきである。これを促すのは、来年の議長国である日本の責務でもある。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ