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【主張】台湾の与党大敗 繁栄と自立の両立めざせ

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 政権交代が実現した2016年の熱気はどこへ行ったのか。台湾の統一地方選は、与党・民主進歩党(民進党)の惨敗に終わった。

 蔡英文総統は、敗北の責任を取り兼務する党主席の辞任を表明した。民進党の金城湯池だった南部・高雄市までも野党・中国国民党に奪われる負けっぷりだ。引責辞任はやむを得ない。

 年が改まれば、20年実施の次期総統選が動き始める。民進党は、敗因の総括を踏まえた、党勢の立て直しを迫られている。

 民進党政権への今回の厳しい評価は、年金制度や労働法制の見直しで、政権が社会の反応を見誤った結果だ。学者出身である蔡氏の指導力には疑問符がついた。

 経済、福祉の果実を分かち合う繁栄の創出と、台湾の自立や尊厳を可能な限り明確にすることが党勢の立て直しには欠かせない。

 いずれも両岸(中台)関係の処理にかかわる難しい課題だ。だが、その難題を解く筋道を示せない限り、民進党政権の続投は容易でないと覚悟すべきである。

 民進党の選挙敗北を受け、中国が硬軟取り混ぜた台湾への介入を強める動きがみえる。

 中国は、独立派とみる蔡氏との対話を拒み、中米など5カ国を台湾と断交させる外交圧力を高めてきた。こうした「鞭(むち)」と同時に、台湾の企業や知識人に対して優遇する「飴(あめ)」を与え、台湾の官民分断を図ってきた。

 中国の台湾担当部門は、選挙結果を「台湾民衆が両岸関係の平和的な発展がもたらす利益を望んでいることの表れだ」と論評した。露骨な介入を恥じない姿勢にはあきれるばかりだ。

 中国が狙うのは、次期総統選において、両岸接近で歩調の合う政権を誕生させることである。台湾の民主的な選挙は当然尊重すべきだが、中国の揺さぶりを看過しては、日本を含む地域の安定にも影響が及ぶことが危ぶまれる。

 台湾の安全保障に責任を持つ米国のトランプ政権は、台湾問題に強い関心を示している。日本が近隣の同盟国として、この視点を共有することは当然だろう。

 日本の取り組みでは、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への台湾加盟を助けることが考えられる。良好な日台関係を将来とも維持するには、日本が無為無策でいることは許されない。

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