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【主張】ダライ・ラマ講演 民族の権利求める声聞け

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 来日したチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世が20日、超党派の議員連盟の会合で講演し、中国のチベット抑圧政策を批判し、国際社会の支援を訴えた。

 講演を取り上げたメディアの扱いは大きくなかったが、中国の人権状況に対し、重要なメッセージがこめられていたことを知っておきたい。

 来年3月には中国人民解放軍がチベット住民と衝突し、ダライ・ラマ自身がインドに亡命したチベット動乱から60年を迎える。

 ダライ・ラマは「その間に中国共産党はいろんな方法でチベット人を抑圧、殺戮(さつりく)、洗脳し、お金も使ってチベット人の精神を抹殺しようとしてきた」と強調した。

 その上で、独立ではなく高度な自治を求める「中道のアプローチ」に、海外を含めた大勢の中国知識人が賛同し、「共産党の態度は正しいことではないと考える漢族の数がますます増えている」と述べた。

 中国の少数民族弾圧に対する国際社会の目が一段と厳しく向けられる中、注目すべき指摘だ。

 ここで思い起こすのはペンス米副大統領の先月の演説である。

 10年間に150人強のチベット僧侶が抗議の焼身自殺をし、100万人のウイグル人が収容所に入れられて洗脳を受けていると指摘しつつ、「自国民を抑圧する国はとどまるところを知らない」と中国の人権弾圧を批判した。

 ダライ・ラマ演説と同じ20日、トランプ大統領の側近だったバノン前首席戦略官が、米亡命中の中国人元実業家、郭文貴氏とともに中国国内の人権弾圧を調査する基金設立を発表した。

 バノン氏は米国が中国の「属国」となると危機感を唱えてきた人物であり、内なる抑圧と対外拡張を一体と捉えた対中警戒が浸透している証左といえよう。

 もっとも、ダライ・ラマの訴えは「私たちがもし、中国にとどまるならば、中国憲法に基づいたすべての権利が与えられるべきです」という穏やかなものだ。

 中国憲法は第4条で「各民族は一律に平等」「いかなる民族的差別と圧迫を禁じる」とする。チベットやウイグルの民が求めるのは当たり前の権利に他ならない。

 安倍晋三首相は先の習近平国家主席との会談で、中国の人権状況に触れた。ならばダライ・ラマの声にも耳を傾けてもらいたい。

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