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【風を読む】報道の自由度ランク 論説副委員長・別府育郎

ロンドンで講演するジャマル・カショギ記者=9月29日(ロイター)
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 サウジアラビア政府に批判的だったフリージャーナリスト、ジャマル・カショギ氏は、イスタンブールの領事館内で無残に殺害された。

 内戦下のシリア国内で武装勢力に捕らわれていたジャーナリスト、安田純平さんの拘束期間は約3年4カ月に及んだ。

 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」によると、世界の紛争地などで過激派組織などに拘束されている報道関係者は昨年時点で、安田さんを含む54人を数えていた。

 ロシアではプーチン政権に批判的な複数の批評家らが、不可解な死を遂げている。メキシコでは麻薬取引を取材する新聞記者らの殺害が続いている。

 政府首脳らの汚職疑惑を追及していたマルタの女性ジャーナリスト、ダフネ・カルアナガリチアさんは昨年10月、自宅近くの自動車に仕掛けられた爆弾の爆発で亡くなった。

 中国では人気トップの女優や国際刑事警察機構の総裁の行方が分からなくなっても、なかなか報じられない。NHKなどのニュースも、不都合なものは即時、真っ暗な画面と化す。

 韓国では南北閣僚級会談の代表取材から、脱北者出身の記者が除外された。弊紙元ソウル支局長のコラムが大統領への名誉毀損(きそん)にあたるとして起訴され、長く出国禁止措置が取られた記憶も新しい。

 世界の各地で報道人の受難が続いている。これに比して国内の環境は、静かなものである。少なくともそう感じる。

 「国境なき記者団」が今年4月に発表した報道自由度ランキングによれば、日本は「顕著な問題」を抱えたグループに属する67位なのだそうだ。2つ上の65位には、マルタがある。韓国は43位、米国は45位。最下位の180位は北朝鮮だった。

 日本には今、時の政権を批判しにくい重たい空気があるのだという。同趣旨の言説を、ここ数年、何度も見聞きした。

 そうなのだろうか。空気に押しつぶされるほど、日本の報道はヤワなのか。自らそう語ることに、矜恃(きょうじ)は傷つかないのか。不思議で仕方がない。

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