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【ガンジスのほとりで】爆竹と大気汚染

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 ニューデリーでは短い秋が深まるにつれ、大気汚染がひどくなってきた。微小粒子状物質「PM2.5」の濃度が6段階中最悪の「危険」となる時間帯も多い。特に早朝は濃い霧がかかったようになり、100メートル先も見通せない。もともと呼吸器が悪い支局のインド人助手の妻は、首都を離れて田舎に避難した。

 経済発展の「負の側面」ともいえる大気汚染だが、特にインドは深刻の度を増している。世界保健機関(WHO)が5月に発表した「世界で大気が汚染された15都市」のうち、じつに14をインドの町が占めた。WHOの別のリポートによれば、2016年に10万人以上の子供が大気汚染を原因とする疾患で死亡したという。

 対策に苦慮した政府は、汚染の根源を絶つため、解体工事の中止や火力発電所の操業停止に乗り出した。特に批判されるのが、7日のヒンズー教最大の祭典「ディワリ」だ。風物詩である花火や爆竹が空気に悪影響を与えるとして、政府は販売規制に乗り出した。

 ところが、政策に“抵抗”する市民は多く、闇市場では爆竹が数倍の値段で売買されたという。禁酒法の米国を想起させる事態だ。「静かなディワリはありえない」というインド人の心の声が聞こえてくるようで、伝統を変える困難さを実感させられた。(森浩)

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