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【主張】離島対策 航路確保で国境安保図れ

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 国境の離島は日本の守りの最前線である。そこで暮らす人々の存在が領土保全に直結する。住民らが行き来する航路の安定は欠かせない。

 長崎県新上五島町の五島産業汽船が2日、五島列島と長崎市などを結ぶ定期3航路の休止を突然発表した。他社の航路に参入して赤字が膨らみ、銀行取引停止になったためだ。

 島民の要望に危機感を持った元従業員らの尽力で、2週間後に航路の一部が再開された。

 だが、離島で赤字経営に苦しむ船会社とその影響を受ける地域の話にとどまらない。五島のような国境の島の保全、振興は、安全保障の観点からも重要である。

 交通の不便による日常生活への影響が続くようだと、離島の人口減少に拍車をかける。国は自治体と連携し、航路維持など振興に本腰を入れてほしい。

 島には本土の病院に通う高齢者も少なくない。危機感を持った元従業員らが新会社「五島産業汽船株式会社」を作り、長崎-鯛ノ浦(新上五島町)の再開にこぎつけた。航路の維持は島の人口流出を抑えることに直結する。

 九州の西端に位置する長崎県の場合、対馬や壱岐、五島列島など大小600近い離島がある。

 海洋権益の拡大を狙う中国や韓国と隣り合わせだ。国境にある離島は、領海と排他的経済水域(EEZ)の基点となる。

 本土と離島を結ぶ航路の安定的な運航を図るため、国は事業者の経営実態の把握に努めてほしい。海洋権益の維持にもつながる。

 自治体と事業者の双方には、離島の人口減少に歯止めをかける努力が求められる。それには、観光や産業振興はもとより、国の交付金と補助金をどのように使うか、知恵を絞る必要もある。

 離島と本土を結ぶ航路は全国におよそ300ある。平成29年度は120の航路に約70億円の交付金が投入された。赤字分を国と自治体が補填(ほてん)するためだ。

 昨年4月、有人国境離島法が施行された。五島など8都道県71島に年間約50億円の補助金が運賃引き下げなどに充てられた。これらの施策だけで十分なのか。絶えず見直していくのは当然だ。

 領海やEEZの基点となる離島の所有者が不明な場合があり、調査が進められている。国や自治体にはあらゆる観点から国境離島の保全に努めてもらいたい。

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