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【産経抄】10月25日

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 3年以上にもわたった監禁生活は筆舌に尽くし難い苦痛の連続だったろう。内戦が続くシリアで武装組織に拘束されていた、フリージャーナリスト安田純平さん(44)が解放された。帰国して元気な姿を見せてほしい。

 ▼解放の一報は、ペルシャ湾に面する小さな国カタールからもたらされた。安倍晋三首相は昨日の朝の記者会見で、特にカタールとトルコの国名を挙げて感謝の言葉を述べていた。シリアの反体制組織に一定の影響力を持つ両国が、仲介役を務めてくれたようだ。カタールは、天然ガスの埋蔵量世界第3位を誇る。液化天然ガス(LNG)を大量に購入してきた日本とは、もともと強い結びつきがある。

 ▼カタールが昨年6月、隣国のサウジアラビアなどアラブ4カ国から外交関係の断絶を突きつけられたニュースは、世界に衝撃を与えた。サウジは、イランとの関係を強めつつあるカタールの外交姿勢を問題視した。イランはサウジの宿敵である。

 ▼そのサウジは今、トルコのイスタンブールの総領事館で起きた記者の死亡事件をめぐって、国際社会から激しい批判を浴びている。当初無関係を主張していたサウジ当局は、ついに関与を認めざるを得なくなった。決定的な証拠を握るトルコは、「計画的殺人」と断じている。

 ▼内戦が泥沼化するシリアでは、日本人ジャーナリストの命を守るための闘いが続いてきた。菅義偉官房長官によれば、安田さんの解放は、官邸を司令塔とする「国際テロ情報収集ユニット」が、カタールやトルコなど関係国に働きかけた結果だった。

 ▼もちろん、武装組織との交渉の経緯を明らかにするわけにはいかない。けっして表に出ることのない、テロ対策を任務とする人たちの奮闘に敬意を表したい。

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