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【正論】内部留保を「CSR」に活用せよ 日本財団会長・笹川陽平

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 ≪求められる「社格、社徳」

 インドの企業がCSR活動に前向きな背景には「自分の資産などを貧しい人々やお寺などに寄付すれば幸福になれる」とするヒンズー教の教えがあり、タタ財閥などでは新会社法の制定以前から慈善活動や社会貢献活動に熱心に取り組んできた伝統があるという。

 米国にも「Give Five」の掛け声の下、企業が税引き前利益の5%を公益的な寄付に拠出する取り組みがあり、筆者は1989年、新聞投稿で米国の取り組みを紹介、企業に積極的な公益的寄付を呼び掛けたことがある。

 これに対し経団連は翌年、「1%(ワンパーセント)クラブ」を設立。現在、法人226社、個人850人が会員となり、それぞれ経常利益や可処分所得の1%以上を社会貢献活動に拠出している。

 現時点では十分、期待に応えているとは言い難いが、わが国には江戸初期から続く近江商人の「三方良し」(売り手良し、買い手良し、世間良し)に代表される社会貢献に熱心な企業風土がある。CSR元年と呼ばれた2003年から15年と欧米に比べ歴史は浅いが株主利益最優先の欧米系企業と違い、従業員や顧客、地域社会まで幅広いステークホルダー(利害関係者)を大切にする伝統もある。

 国の財政が逼迫(ひっぱく)する中、企業には税金を納めるだけでなく深刻化する少子高齢化や地方創生、障害者雇用、里親制度の拡充など社会課題解決への積極的な取り組みが求められている。人に人格、人徳があるように企業にも一層の「社格」や「社徳」が求められる時代となった。

 内部留保をどう使うか、最終的な判断は企業の決断に委ねられるが、CSR活動への積極的な取り組みは間違いなく企業に対する国民のイメージを好転させ、企業・経済界の発展、ひいては景気の上昇にもつながる。(ささかわ ようへい)

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