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【北京春秋】新疆ウイグル自治区で購入した楽器が泣いている

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 わが家の楽器がまた増えた。新疆ウイグル自治区への出張中に購入した弦楽器である。シルクロードの時代、東西文明の十字路として栄えた西域の伝統楽器に魅せられたのだ。

 訪れたカシュガルでは、取材活動を監視・妨害する当局の人間たちに付きまとわれていた。旧市街に楽器店の通りがあったので彼らを攪乱(かくらん)してやろうと、ある店にひょいと入った。

 長いさおをもつ蛇皮張りの楽器ラワープが目に留まった。東へ伝播(でんぱ)する間に三線(さんしん)や三味線へ姿を変えたのだという。東京でその三味線を習ったことがある。楽器を買えば敵も油断するのでは-。

 荷物が1つ増えた。

 別の店では、膝の上で奏でる楽器ギジェクに興味をもった。中国の有名な二胡や韓国の伝統楽器ヘグムに似ている。中国に赴任する前、ソウルで習っていたのがヘグムだった。

 また1つ荷物が増えた。

 結局、楽器2つを肩から提げて歩いてみても、当局が警戒を緩めることはなかったが…。

 北京の自宅にある楽器はこれで5つ。他の3つは中国まで持ってきた三味線にヘグム、そして北京で買った二胡である。

 中国ではまだ、楽器を奏でようという気にならない。厳しい取材環境の中で、心のゆとりがないのだろう。日中韓と西域の楽器たちを前に、ため息をつくばかりである。(藤本欣也)

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