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【石平のChina Watch】安倍首相を待つ2つの罠

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 しかし、安倍首相は外交辞令としても「協力する」と言ってはいけない。この一言を発しただけで、日本は「中国版植民地主義」の加担者だとみなされ、国際社会における日本のイメージダウンにつながるからである。

 安倍首相を待ち受けるもう1つの罠は、中国が必ずや「自由貿易」の大義名分を振りかざして日本を米中貿易戦争に巻き込もうとすることである。現に、中国の李克強首相は今月10日、福田康夫元首相との会談で「日本とともに自由貿易の発展を擁護したい」と述べ、日本に連携を呼びかけた。安倍首相に対しても中国側は当然、より一層の熱意で「連携」を働きかけてくるのであろう。

 もちろん安倍首相がトランプ大統領を敵に回して中国の味方になるような愚を冒すはずもない。それでも、日本国の首相が中国の言う「自由貿易」に同調するような不用心な発言をしてしまえば、それは必ずや中国に悪用されて、あたかも日本が中国と連携して米国の貿易政策に反対しているかのように印象操作されるであろう。

 だから、安倍首相が今回の訪中に当たって、関係改善に乗り出すのも「友好」を語るのも問題はないと思うが、習近平政権対日外交の「下心」に留意して中国に利用されるような発言を控えてもらいたい。

 外交とは言葉による戦いだから、首相の発する一言一言には、日本の国益と名誉が関わっているのである。

                  

【プロフィル】石平(せき・へい) 1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

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