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【ソウルからヨボセヨ】とんだジャパン・ドリーム

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 ビル清掃の仕事をしている60代とおぼしき顔見知りのおばさんから、「日本は景気がよくて働き口が多いんでしょ?」と聞かれた。

 「人手不足のようです」と答えたが最後、顔を見るたびに同じことを繰り返し尋ねてくるようになった。

 聞くところでは、1990年代末の金融危機で韓国経済が大打撃を受けた際、商売に失敗し、日本に渡って大阪のプラスチック工場で働いていたそうだ。日本に8カ月滞在したが、在留期間が切れて強制送還されたという。早い話が不法就労と不法滞在である。

 おばさんはそれでも「捕まったとき、ご飯までいただいた」と悪びれることもない。むしろ懐かしそうに“思い出話”をする。

 韓国は今、経済危機への秒読み論まで聞かれ、雇用状況は芳しくない。日本の好況話を聞きたがるのは、そんな世相もありそうだ。

 初対面のころ無愛想だったおばさんだが、今ではすっかりおなじみに。ただ、嫌な予感もあり、「もうそんなことしたらダメだよ。外国で働くなら、就労ビザを取っていかなければ」とたしなめてみた。だが、話すたびにおばさんは希望に満ちあふれた笑顔で、日本の雇用状況を聞いてくる。

 こちらとしては、韓国の世相を知るにとどめておきたいところなのだが。(名村隆寛)

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