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【産経抄】10月16日

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 表裏が黒白の石を使い、相手の石を挟んだら、自分の色にひっくり返す。最終的に石の多い方が勝ち。オセロのルールはいたって単純である。もっとも1分で覚えられても、極めるのは一生かかる、ともいわれる。

 ▼さまざまな定石が生まれ、戦術の研究も日々進んできた。そんなゲームの原型は、終戦直前の空襲で焼け野原となった水戸で生まれた。旧制中学に在学中の長谷川五郎さんが青空授業の合間に同級生と碁石で遊ぶうちに思いついた。

 ▼大学卒業後会社勤めをしながら、玩具メーカーにアイデアを持ち込んだ。昭和48年に商品化されると、爆発的なヒットとなる。オセロの名付け親は、英文学者の父親だった。白人の妻を持つ黒人将軍オセロを主人公とする、シェークスピアの悲劇から取った。

 ▼4年後には、世界選手権も始まっている。第42回大会はチェコ・プラハで今月、約25の国・地域から代表選手が集まって開かれた。準決勝で過去5回の優勝経験がある日本の選手、決勝でタイの選手を破り、優勝に輝いたのは、横浜市の小学5年生、福地啓介さん(11)だった。もちろん歴代最年少である。

 ▼福地さんは、小1で国内大会の「小学生グランプリ」で優勝、7月には全日本選手権で準優勝を果たしたばかり。将棋界に旋風を巻き起こした最年少棋士、藤井聡太七段(16)になぞらえられてきた。ところが、いきなり世界の頂点に達してしまった。

 ▼2年前に83歳で世を去った長谷川さんには、オセロの歴史をつづった著作もある。世界の強豪たちに「鉄人」「鬼神」「はやぶさ」などのニックネームを付けて、棋譜とともに激戦の様子を紹介してきた。まだあどけなさを残す若きチャンピオンには、どんな愛称を与えただろうか。

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