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【日曜に書く】論説委員・山上直子 興福寺に天平の風が吹く

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 七転び八起きの中金堂

 興福寺ほど、焼失と再建を繰り返した寺は珍しい。多川俊映貫首(かんす)によると、大きな火災で7回、小さなものも数えると160回に上るという。

 金堂というと多くは本尊を安置する本堂を指すが、同寺の場合、中金堂のほかに東金堂、西金堂と3つもあった。中央にあった中金堂は7度焼失して8度目の再建だけに「七転び八起き」のお堂である。飛び火、失火、落雷、戦火など、焼失の理由もさまざまだ。なかでも平安末期、平氏による南都焼き打ちでは、東大寺の大仏とともに、興福寺も中金堂を含めた堂宇がほぼ全焼した。

 けれど、さすが藤原氏の氏寺である。平安時代は2~7年で、最長でも鎌倉時代の23年で再建されてきた。ところが、江戸時代の享保2(1717)年に延焼で焼けてからは再建かなわず、規模を縮小した仮堂が建てられた。東大寺の大仏殿に次ぐ巨大な建物ゆえの難しさもあったろう。現代では木材をそろえるだけでも大変だ。今回の再建に当たっては、アフリカ材が使われたことも話題になった。

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