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【日曜に書く】論説委員・山上直子 興福寺に天平の風が吹く

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 手元に1枚の古い写真がある。9歳の少女とその両親、祖母と4人の家族写真で、全員で石段に立ち、少し緊張した面持ちでカメラに視線を向けている。背後に写っているのはおそらく奈良・興福寺の塔。裏には手書きで「昭和二十年十一月二十三日写す」とあった。

 私事で恐縮だが少女というのは母で、戦後間もないこの頃は戦火を避けて奈良の近くに移り住んでいた。気になったのは日付で、今は「勤労感謝の日」だが当時は新嘗祭の祭日だったはずだ。祖父の仕事も休みだったのだろう、家族で古都観光に出掛けたものと思われる。

 その後も時折出掛けていた。わが家では、興福寺や奈良公園は平和な時代の象徴だった。

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