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【主張】世界同時株安 米中は市場の警告を聞け

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 世界の株式市場の値動きが荒い。米国の株価急落が各国へと波及し、同時株安をもたらした。不安定な市場動向は、日本経済にとっても大きな懸念材料である。警戒を怠るわけにはいかない。

 米国株価の急落は、景気を冷やしかねない長期金利の上昇が直接のきっかけだった。加えて米中貿易摩擦に伴う中国経済の減速が意識されているのも大きい。

 市場の変調は、世界経済のリスクが急速に高まったことを示す警告と受け止める必要がある。特に米中両国は、自らがもたらす危機の大きさを直視すべきだ。

 12日の東京株式市場の日経平均株価は、大幅下落した前日から反転し100円超の上げ幅で取引を終えた。もとより日々の株価に一喜一憂するのは適当ではない。警戒すべきはその背景である。

 米国の金利上昇は好調な経済に裏打ちされた動きだが、急激すぎれば企業活動を制約する。景気過熱を防ぐため米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを加速することへの警戒も株価に響いた。

 トランプ米大統領は、利上げを続けるFRBについて「気が変になっている」と語った。減税などで景気をふかしたのはトランプ氏であり一方的な非難は乱暴だ。

 ただ、利上げによる米国の利回り改善で新興国に流れ込んだ投資マネーが米国に戻りつつある。これが新興国の通貨下落を招いた。拍車がかかれば大きな打撃である。FRBは注意深く利上げ時期やペースを判断すべきだ。

 貿易摩擦の懸念も大きく、国際通貨基金(IMF)は世界経済の成長率予測を2年ぶりに下げた。米中対立は安全保障も視野に入れた覇権争いだ。にわかに解消するとは考えにくいが、長期化は世界経済の脅威だ。中国の不公正貿易や知的財産侵害などが根本的に改まるよう対話を深めてほしい。

 同時株安の渦中に開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は市場安定に向けた協調を確認した。貿易摩擦の対応策などは示せず、議長国アルゼンチンの財務相は「解決は当事国間でなされるべきだ」と語った。

 米中の溝が深まる中で各国の足並みをそろえるのは難しい。それでも世界経済のリスクに何ら対処できないようではG20の存在意義が問われる。これをどう打開するかは、来年議長国を務める日本に求められる重い課題である。

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