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【正論】長期戦覚悟で米中対立に備えよ

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 ≪「ニッポン・ファースト」で臨め

 日本政府の姿勢は、9月26日にニューヨークで行われた日米首脳会談における共同声明によく表れている。第6項にはこんな文言が入っている。「知的財産の収奪、強制的な技術移転、貿易を歪曲(わいきょく)する産業補助金、国有企業による歪曲化や過剰生産を含む不公正な貿易慣行に対処するため、日米または日米欧三極の協力を通じて緊密に作業していく」-どの国のことを指しているのかは「言わぬが花」であろう。

 その一方で、安倍晋三首相は今月後半にも訪中し、日中平和友好条約の40周年を祝うとともに、第三国における日中協力を推進する予定である。日中首脳の相互訪問を復活させ、来年の大阪G20首脳会議や即位の礼に向けて地ならしを行う配慮がありそうだ。

 かかる姿勢を「日和見的」と批判する向きがあるかもしれない。しかし、米中の貿易戦争は長引く公算が大である。中国の大手IT企業アリババのジャック・マー会長は「20年続く可能性がある」と喝破した。その真意は「米中のいずれが覇権国となるかは、20年後でないとわからない」であろう。

 ことによると今年は米中冷戦時代の元年であって、米ソ冷戦時代からの「戦間期」がようやく終わったところなのかもしれない。そうだとすれば、われわれも長期戦の心構えが必要になる。

 今やアメリカの名目GDPは約19兆ドル、中国は12兆ドルである。5兆ドルの日本から見れば、いずれも仰ぎ見るような存在だ。われわれは依然世界第3位の経済大国とはいえ、みずからを小国と自覚して周到かつ用心深く手を打っていく必要がある。

 米中の対立時代は、たぶん「トランプ後」も続く。われわれに求められるのは「ニッポン・ファースト」の長期戦略である。(よしざき たつひこ)

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