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【正論】長期戦覚悟で米中対立に備えよ

双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦氏
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 □双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

 ≪日米通商摩擦とは根本的に違う

 このところ中国メディアなどから、「1980年代から90年代の日本の経験」について聞かれる機会が増えた。どうやら至るところで同じことが行われているらしい。最近、中国で囁(ささや)かれているのが「60%の法則」である。国内総生産(GDP)が自国の6割を超えると、アメリカは容赦なく「ナンバー2潰し」を始める。当時の日米通商摩擦もそうだったんじゃないですか、というのである。

 そのたびにこう答えている。

 「一緒にしてもらっては困る。日本はアメリカへの報復関税など考えたこともなかった」

 日本はアメリカと同盟関係にあり、いくら貿易不均衡が問題視されても本気で争う余裕はなかった。冷戦が終了した90年代半ば以降は、アメリカを世界貿易機関(WTO)へ提訴したりもしたが、それでも少しは遠慮があった。そこが往時の「日米通商摩擦」と、今日の「米中貿易戦争」の決定的な違いであろう。

 既にアメリカは、2500億ドルもの輸入品に追加関税をかけ、中国側も報復している。しかもそれは通商法301条に基づく制裁関税であり、中国の知的財産権侵害を理由としている。中国側が非を認めて事態を改善しない限り、取り下げることは難しい。ちなみに鉄鋼とアルミニウムへの追加関税は通商拡大法232条に基づく安全保障上の措置であり、アメリカ側の国内事情によるものだ。

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