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【日本の未来を考える】経済浮揚、供給にカギ 学習院大教授・伊藤元重

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 問題は、なぜ日本のTFPが高くならないのかということだ。政策の誤りや制度の欠陥が原因であるなら、政策的にそれを是正すればよい。そうした面は多々あるだろう。ただ、問題は日本だけでなく、世界の多くの先進工業国でTFPの構造的な低迷が続いているということだ。その典型が米国で、1990年代以来、それ以前の100年に比べて、TFPが低い水準で推移している。なかなか本格的な技術革新が起きず、これが経済を低迷させていると解釈できる。情報通信などの分野で技術革新があるが、これが経済を本格的に浮揚させるにはまだ十分ではないようだ。

 日本でも米国に10年遅れて、同じような状況だ。90年前後のバブル崩壊以降、日本のTFPは低い水準にとどまる。バブル崩壊以降の日本経済の低迷は金融危機やデフレなどの需要の縮小で説明されることが多いが、供給サイドの低迷がその根底にあるという見方もありえるのだ。困ったことに、供給サイドの問題が続く限り、いくら政策的に需要を刺激しても経済を本格的に浮揚させることは難しい。そうした技術的悲観論は取りたくないが、いずれにしても日本のTFPや潜在成長率を上げていくような政策が今後の経済回復の重要な鍵となることは間違いない。(いとう もとしげ)

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