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【日本の未来を考える】経済浮揚、供給にカギ 学習院大教授・伊藤元重

伊藤元重・学習院大学教授(野村成次撮影)
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 日本経済のこの先の問題を考える上で供給サイド(サプライサイド)の重要性がますます増している。アベノミクスのおかげで、名目GDP、雇用、株価、企業収益などは、大幅に改善した。それにもかかわらず、日本の潜在成長率は1%前後と低い水準にとどまっている。マクロ経済政策による需要喚起によっていくら経済に刺激を与えても、潜在成長率が高くならない限り、経済が持続的に拡大することはない。多くの専門家が低い水準にとどまっている潜在成長率に懸念を持っている。

 潜在成長率とは、経済が中長期的に成長する能力と考えればよい。経済成長には、需要サイドと供給サイドの両方の動きが必要となる。需要サイドとは、消費や投資や輸出などの需要が伸びることだ。需要が伸びないことには、経済成長はあり得ない。アベノミクスは、この点で大きな成果をあげた。もう一方の供給サイドとは、資本や労働が増え、技術革新などで生産性が上がることで、経済全体の供給能力が高まることだ。潜在成長率はもっぱらこの供給サイドに関わるものである。

 人口が減少して労働力が大幅に増えることが期待できない日本では、生産性を上げることが重要な鍵となる。専門家がTFP(全要素生産性)と呼ぶものだ。これを高めるためには企業が生産性を上げる努力をすること、生産性の低い産業や企業から生産性の高い産業や企業に資本や労働が移動すること、何より技術革新を経済が取り込んでいくことだ。AIやIoTなどのデジタル技術が企業や産業を変えていくデジタルトランスフォーメーション(DX)に多くの人が期待を寄せるのもそれによってTFPが上がることが日本経済の回復に必要だからだ。

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