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【主張】豊洲市場へ移転 都知事は責任持ち対策を

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 東京の台所として親しまれてきた築地市場が80年を超える歴史に幕を閉じ、移転先の豊洲市場が11日開場する。

 移転をめぐる混乱の責任は小池百合子都知事をはじめ歴代知事と都庁にある。安全性の確保に目配りし、信頼の回復に努めるのは当然である。

 豊洲市場をどのように機能させていくのか、長期的視点に立った市場運営に取り組んでもらいたい。

 移転先は東京ガス工場跡地で土壌汚染の懸念が当初からあった。その上、建物地下の盛り土が行われず、地下水から有害物質が検出されたために移転が遅れた。

 小池氏は「豊洲市場は安全であり、安心して利用いただける」と語る。確かに衛生面では、開放的な構造だった築地とは異なり格段に向上した。閉鎖型の建物のため産地から温度管理された食品を流通させ、鮮度や安全性をさらに高めることも可能とした。

 だが、生鮮食品を扱う市場に百パーセントの安全はない。地下水や空気を監視していくのは当然であり、新たな風評被害を生まないためにも、監視結果は広く情報開示していく必要がある。

 移転延期の弊害は、2020年東京五輪・パラリンピックで選手らの輸送道路として期待される環状2号線の計画変更を招いた。移転後の築地市場跡地を通る予定だったが、市場の解体には時間がかかる。4車線での全線開通が開会式に間に合わず、2車線での暫定開通を余儀なくされる。

 これが輸送量の減少と慢性的な渋滞を引き起こし、混雑に拍車をかける恐れがある。東京大会だけではなく、周辺住民や利用者への大きな影響を与えかねない。

 都知事選や都議選のたびに移転問題で市場関係者らは振り回されてきた。都政のトップとして小池氏には混乱回避に向けた具体策づくりと実行を求めたい。

 卸売業界の側にも努力が求められる。冷蔵・冷凍による輸送技術の発達のほか、スーパーや小売業者が産地直送で商品を仕入れるなど、従来型の市場運営が難しくなってきているのも業界が冷え込む背景となっている。

 築地市場では仲卸業者の4割近くが赤字経営で、年々業者の数も減っている。世界有数の取引量を誇った「築地ブランド」をどう豊洲に継承、発展させるのか。都と業界の知恵の出しどころだ。

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