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【正論】対中「幻滅」が世界で加速する 東洋学園大学教授・櫻田淳

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 去る9月下旬、ドナルド・J・トランプ米国大統領は、国連安保理会合後の記者会見の席上、習近平中国国家主席について、「もはや友人ではないかもしれない」と述べた。現下、トランプ大統領麾下(きか)の米国政府が展開する対中牽制(けんせい)政策は、貿易だけでなく人権、安全保障に至るまでの広がりを持つようになっている。

 ≪化けの皮がはがれた「一帯一路」

 筆者は、この対中牽制政策がトランプ政権下の「一時の熱病」なのか、それともトランプ政権後も継がれ得る「堅い方針」なのかということに注目してきたが、もろもろの報道や証言に接する限りでは、それは後者なのだという感触を強く抱くようになっている。

 現下の米国の対中牽制の論理は、冷戦初期の米国でジョージ・F・ケナン(当時、米国国務省政策立案室長)が立案を主導した対ソ「塞(せ)き止め」(containment)に倣(なら)えば、対中「追い込み」と表現するに相応(ふさわ)しいであろう。

 こうした米国の対中「追い込み」対応が、トランプ大統領の破天荒なイメージにもかかわらず、特に西方世界諸国から懸念を招いていないのは、その裏で中国の対外姿勢に対する「幻滅」が確実に広がっている事情による。中国政府が掲げる「一帯一路」構想の実態が、中国だけの利益を顧慮した他国の「借金漬け」援助の枠組みにすぎないという理解は、急速に進みつつある。

 事実、「一帯一路」構想の中で重要な位置を占めていたインド洋周辺諸国では、スリランカやマレーシアに続きモルディブでも、政権交代の結果、前政権の対中傾斜政策志向が修正されつつある。

 9月上旬、ナウルで開かれた太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議では、中国特使がその無礼と傲慢を非難された。加えて、欧州連合(EU)は、「他国に返済不能な融資を負わせないことを特色としたアジア向け資金援助」の枠組みを策定しようとしていると伝えられている。それが「一帯一路」構想への代替・対抗戦略であるのは明白である。

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