PR

ニュース コラム

【主張】米国務長官訪朝 「再会談ありき」は危うい

Messenger

 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の2回目の首脳会談を調整するため、ポンペオ国務長官が訪朝し、金氏らと会談する。

 ポンペオ氏に求めたいのは、トップ同士の会談の実現ありきで議論を進めないでほしいということだ。

 北朝鮮に核・弾道ミサイルを廃棄させ、脅威を取り除くことが米朝交渉の目的である。それに寄与しなければ、首脳の再会談は無意味どころか、交渉全体を危うくしよう。

 米朝の現在の対立点は、北朝鮮による非核化への具体的行動が先か、朝鮮戦争の終戦宣言が先かということになるだろう。

 北朝鮮の核・弾道ミサイルが脅威である以上、終戦宣言は時期尚早だ。北朝鮮がまず、核戦力の全面申告や隠し持っている核兵器の破壊などの行動をとるべきだ。

 北朝鮮の李容浩外相は国連演説で、「先に核武装を解除することはない」と述べた。核戦力を放棄したくないのが本音だろう。

 だが、トランプ氏が口にするのは、金氏との良好な関係や再会談への楽観的な展望ばかりだ。危惧を抱かざるを得ない。

 8月下旬、「非核化への進展がない」として、ポンペオ氏の訪朝が中止になった。その後、金氏が手紙で再会談を求めてきた。

 米国が「最大限の圧力」路線に戻るのを恐れている。北朝鮮が実のある行動をしないのに、首脳会談の設定を急ぐようでは、非核化はかえって遠のく。

 気がかりなのは、金氏が南北首脳会談で、米側の「相応の措置」を条件に寧辺の核施設の廃棄を言い出した一件である。朝鮮中央通信は「心臓部も同然の核心施設」と強調し、韓国外相は、施設解体と交換の終戦宣言を提案した。

 だが、寧辺の施設はもはや「核心施設」ではない。核の量産施設はほかにある。韓国の情報当局は北朝鮮が20~60個の核兵器を保有しているとみている。

 米韓合同軍事演習が中止されたのに続き、南北の非武装地帯などでの地雷除去作業も始まった。脅威が減じていないのに、抑止力を低下させてよいのか。

 ポンペオ氏は訪朝に先がけ、日本に立ち寄り、安倍晋三首相らと会談する。対北制裁の厳格履行や、拉致、核・ミサイル問題の解決など、北朝鮮と向き合う原則を確認する機会とすべきだ。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ