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【産経抄】9月29日

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 何度か聞いたようなセリフだと感じた。トランプ米大統領が26日の日米首脳会談で、安倍晋三首相に語ったこの言葉のことである。「シンゾーとの友情があるから自動車に関税をかけられなかった」。リップサービスの部分もあるかもしれないが、自動車関税の発動は当面、回避できた。

 ▼「私に任せてもらいたい。アベを困らせることはしない」。2007年4月、安倍首相に対し、こう胸を張ったのはブッシュ大統領だった。当時、米国では北朝鮮へのテロ支援国家指定解除が検討されていたが、解除しない考えを明らかにした。

 ▼この時、首脳会談に同席したライス国務長官は解除に前向きで「米国内法に照らせば、拉致問題解決は指定解除の条件にならない」と発言していた。だが、ブッシュ氏は安倍首相に明言した。「ライスがいろいろと説明したが、君と私が決めればいい」。

 ▼ところが、同年9月に病を得て安倍首相が退陣すると米国は指定解除へと舵(かじ)を切り、ブッシュ氏は翌08年10月、あっさりと解除してしまう。米国が17年11月に再指定し、経済援助の禁止や金融制裁などの措置を取るまでの9年余、北朝鮮は伸び伸びと核・ミサイル開発を進めた。

 ▼トランプ氏は同月の日米首脳会談でも述べている。「シンゾーだから日米関係はいいんだ。シンゾーだから私は日本のためにやる」。先の自民党総裁選では、石破茂元幹事長が盛んに「友情と国益は別だ」と強調していたが、首脳同士の強い信頼関係によって確保できる国益もあろう。

 ▼友情を育むかはともかく、安倍首相はいつか北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と向き合わなければならない。数々の首脳外交で発揮してきた交渉力と人間力で、拉致被害者を取り戻してほしい。

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