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【一筆多論】クジラから魚群を守れ 佐野慎輔

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IWCの総会に臨む日本代表団=14日、ブラジル・フロリアノポリス(共同)
IWCの総会に臨む日本代表団=14日、ブラジル・フロリアノポリス(共同)

 4年ぶりに提案した商業捕鯨の再開が否決され、一部には国際捕鯨委員会(IWC)脱退を示唆する発言があったという。

 IWCがクジラの保護に傾き、設立時の「保護と持続的な利用」という趣旨から大きく逸脱したことへの強いいらだちがわかる。

 しかし、断じて脱退してはならない。

 いまも続く南極海での調査捕鯨はIWCの傘の下にいてこそ実施可能である。脱退後に行えば、動植物の保護を定めた南極条約の規定に抵触し、ルール破りだと孤立しかねない。

 太平洋クロマグロやニホンウナギ、いまや大衆魚だったサンマまで海の恵みの枯渇が問題となり、消費大国・日本は微妙な立場にある。資源の保護と同時に、漁獲枠の確保も求められている。関連諸国・地域と良好な関係を維持することはいうまでもない。

 まして、太平洋侵出をうかがう覇権国家もある。いらぬ外交摩擦は避けるべきときだろう。

 では、どうしたらいいのか。いらだちはますます募るが、元IWC日本政府代表代理を務めた東京財団政策研究所上席研究員の小松正之氏は、「商業捕鯨モラトリアム(一時停止)を逆手に取れ」と話す。

 「商業捕鯨モラトリアムには、資源状態のよい鯨種への商業捕鯨の再開を検討する旨が書かれているが、実現されていない。ミンククジラやニタリクジラ、ノルウェーやアイルランドが捕獲している大西洋の鯨類は資源が健全だ。これをもとに、約束を果たさないモラトリアムは無効だと強く主張していくべきだ」

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