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【主張】商業捕鯨否定 IWC本来の姿取り戻せ

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 先週末の国際捕鯨委員会(IWC)総会は、商業捕鯨の一部再開と議決ルールの変更を求めた日本提案を否決した。

 日本は外交ルートまで使って、これまでになく活発に活動した。だが、反捕鯨国との溝は埋まらないまま、手詰まり感だけが残った。

 失望感に加えて厭戦(えんせん)気分ものぞくが、捕鯨の必要性を求めて、ひるまず現状打破への努力を続けてもらいたい。

 IWCは1948年、「鯨類の保護」とともに「持続的な利用」をうたって創設された。1980年代に始まる商業捕鯨モラトリアム(一時停止)以降、保護に傾いて、資源の利用という観点は忘れ去られた感がある。本来のあるべき姿から逸脱して久しい。

 反捕鯨国が加盟89カ国の過半数を占め、米、英、豪など国際的な発言力の強い国が少なくない。保護が強調される要因である。

 一方で重要案件の決定には、4分の3以上の賛成が必要である。このため、何も決まらない状態が長く続いている。日本の「過半数での決定」提案は、議決のハードルを下げて膠着(こうちゃく)状態をうち破るねらいがあった。

 賛同を阻まれた要因は、IWCに蔓延(まんえん)する現状維持の心地よさだったのか。商業捕鯨再開との抱き合わせ提案が否定的にみられたのだろうか。「敗因」の分析から、次の戦略を練りたい。

 モラトリアムには、「資源状態のよい鯨種には商業捕鯨の再開を検討する」との文言がある。

 IWCの調査では、ミンククジラやニタリクジラに加え、ノルウェーなどが捕獲している大西洋鯨類の資源は健全な状態にある。増えすぎた感のあるミンククジラの旺盛な食欲は、食性が似通うシロナガスクジラを圧迫しているともいう。

 絶滅危惧種で捕獲禁止の対象であるシロナガスクジラの不安材料がミンククジラとは何とも皮肉だが、現状では対処のしようはない。世界の人口増に対応する近未来の食糧事情を考えれば、動物性タンパク源としてクジラが大きな役割を担うと想定される。検討に値する状況にあっても、決められない組織では打つ手はない。

 IWC脱退を言及する向きもあるが、それは最後の手段である。脱退カードを保持しつつ、加盟国の理解を進めていき、IWC本来の姿を取り戻したい。

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