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【北京春秋】われわれ外国メディアは「人民の敵」なのか? 

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 北京の劇場で最近、ドイツの劇団の芝居が上演された。ノルウェーの劇作家、イプセン(1828~1906年)原作の「人民の敵」だ。これがちょっとした騒動を引き起こした。

 ストーリーは次の通りだ。ある町で温泉が見つかり、湯治客でにぎわうようになった。しかしその温泉が汚染されていることを医師が発見。公表しようとするが、観光への影響を恐れた町長や商店主らの反対に遭う。地元紙も事実を報じない…。

 劇中、主人公の医師は町の利益を損なう存在と非難され、集会で「人民の敵」のレッテルを貼られて孤立していく。

 劇には観客との対話コーナーがあった。米メディアによると「中国のメディアも真実を報じない」「言論の自由が欲しい」「責任逃れをしているのは、私たちの政府も同じだ」などの声が客席から上がったという。

 驚いた劇場側が介入し、残りの公演では対話コーナーがなくなった。予定されていた南京公演は「舞台技術」の不備を理由に中止に追い込まれている。

 観客の指摘通り、中国メディアは「共産党の喉と舌」であり当局の宣伝機関でしかない。中国の人々の「知る権利」を十分に満たすことは不可能だ。

 外国メディアがこの国に駐在する意義はそこにある。中国において真の「人民の敵」は、私たちではない。(藤本欣也)

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